本の紹介『おいで、アラスカ!』

更新日:3月31日



『おいで、アラスカ!』

・アンナ・ウォルツ 作

・野坂悦子 訳

・フレーベル館


『おいで、アラスカ!』紹介


てんかんの発作があるスフェンと、かつて強盗に遭遇した経験があるパーケル。

お互いに強い不安を抱え、仲違いしながらも最後は理解し合える物語です。

二人の視点が交錯しながら進んでいく展開ですから、次に何が起こるか読み手の期待が高まります。


昨年の課題図書で紹介した『ねこと王さま』や『飛ぶための百歩』もそうですが、外国作品は読みにくくて苦手だと敬遠する子はけっこう多いです。文化の違いからくる内容、さらには比喩や文体など叙述の違いが取っつきにくい原因のようです。「おいで、アラスカ!」も、物語世界に馴染むまではゆっくり読み進めてみると、途中からはもう夢中になるはずです。


読書感想文の手がかり


ごく単純にーー介助犬は無視してほしい。それに、介助犬は決して、かわいそうじゃない。交通整理をしている警官のほほをつねったりするかい? 飛行機の中で、パイロットのわきの下をコチョコチョくすぐったことがあるかい?
つまり、介助犬もまったく同じ。
ベストのついたハーネスを装着してたら仕事中だ。通りすがりのだれかさんに、なでられるのを待ってるわけじゃない。

皮肉の効いた表現ですが、介助犬への接し方をとても分かりやすく教えてくれます。本を読む理由の一つとして、「知らないことを知る」ことが挙げられるでしょう。

日本盲導犬協会のサイトにも、盲導犬に出会った時は、盲導犬が集中して歩けるようにそっと温かく見守る必要性が書かれています。


スフェンの持病もパーケルのトラウマも、この本を読んだからこそ知ることというのは多いと思います。

「なるほどね」と思うだけでなく、自分だったら、身近な人がそうだったらーーと具体性を持って考えていきましょう。

いくつもの深いテーマを抱えた本ですから、それぞれについてじっくりと考えて欲しいです。