『そのときがくるくる』
・すずきみえ 作
・くすはら順子 絵
・文研出版
「そのときがくるくる」紹介
小1のたくまは、超がつくほど「なす」が苦手。がんばって食べようとするけれど、どうしてもあのぐじゅぐじゅした食感と苦味を克服できません。いなかのおじいちゃんは無理をしなくても「そのとき」がくるから大丈夫と、大らかにたくまを見守ってくれます。果たしてたくまに「そのとき」が来るのでしょうか?
そのときがくるくるーータイトルのように、作品にもリズムがありテンポよく読める、とてもほほえましいお話です。
お子さまだけでなく、親御さんがお読みになれば子どもの接し方など色々気付かされることがある本です。ぜひご一緒にお読みになってみてください。
読書感想文の手がかり
苦手な食べ物がある子にとっては、主人公のたくまくんに共感しながら読み進められるため、感想文を書くにはたいへん扱いやすい本だと思います。
たとえばトマトが嫌いなら、どんなところが苦手なの? 食べられなくて困ったことはある? というふうに苦手な理由を振り返りながらたくまくんに共感しましょう。
その時に「どうせいつか『そのとき』がくるから放っておいたらいいや」と開き直るのではなく、様々なことに興味を持ち、今うまくいかなかったとしても、いつかまたチャレンジしようとするたくまくんの前向きな姿に気づけるかどうかがポイントです。
たくまくんは、「おばあちゃんは、子どものころ、きらいなものは なかったの。」と尋ねました。おじいちゃんがナスを食べられるようになったのは大人になってからだということも知りました。
そのおかげで誰しも苦手なものはあること、でもいつか成長する瞬間があることを知ります。それじたいがひとつの〝成長〟でもあるわけです。
この本で読書感想文を書く際は、どうぞ親御さんの体験をお子さまに話してあげてください。
〝いま〟を夢中で生きる子どもだからこそ、数日先の給食が不安でたまらない。「お母さんにもお父さんにも子どもの頃があったんだ、苦手なものがあったんだ」と、もっと先の長い広い視野に出会えた時の子どもの安心感ったらありません。
・本を読んだ→ 聞いてみた→ 感じた
・登場人物と自分を比較した→ 分かった・感じた
の型だと書きやすいでしょう。
Comments