『わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話』
・鈴木海花 文
・はたこうしろう 絵
・福音館書店
「わたしたちのカメムシずかん」紹介
なんともいえない独特の匂いを放つカメムシ。その厄介者のカメムシを観察してカメムシずかんまで作ってしまった小学校が岩手県にありました。
最初はみんな戸惑った顔や嫌そうな顔をしていましたが、それぞれのカメムシにもきちんと名前も種類もあることに気づいてから子どもたちの表情はいきいきしてきます。
カメムシと「顔みしり」になり、調べ上げた種類はいつか30種類を超えていました。
「せんせー、カメムシはぼくたちの宝ものだねっ。」
本の最後には「わたしのずかん」シートがついていますから、自分だけのずかんも作れます。
読書感想文の手がかり
課題図書「カラスのいいぶん」のカラスのように不吉な印象はないけれど、下手をすればそれ以上に面倒なカメムシです。
「わたしたちのカメムシずかん」「カラスのいいぶん」、どちらも〝厄介者〟と邪険にせずに、相手を知ることで好きになるーーという話ですが、こちらの主役は子どもたち。同年齢の子どもたちが大活躍するお話なので、こちらの本のほうが感情移入しやすく、読みやすいかもしれません。
誰にでもできるよう観察方法が具体的に書かれ、最後には「わたしのずかんシート」まで付いていますから、ぜひ自由研究と組み合わせて読書感想文も書いてみましょう。
「子どもたちがずかんを作ってしまうなんてすごいなあと思いました」と、相手を称える方向でも書けないことはないですが、ちょっと浅い感想文になってしまいそう。やってみたい! やってみた! という能動的な気持ちを大切にして欲しいです。
調査は大変ですが、自由研究と読書感想文が同時にできてしまうと考えれば、お得? かも。
相手の名前を知ることが、仲良くなることの第一歩。そんなことも教えてくれる友達いっぱいの本です。
・本を読んだ→ 自分も観察してみた・調べてみた→ 学んだ
の型だと書きやすいでしょう。
Comments