
『エカシの森と子馬のポンコ 』
・加藤多一 作
・大野八生 絵
・ポプラ社
「エカシの森と子馬のポンコ」紹介
北海道の牧場で生まれた子っこ馬のポンコは、牧場を逃げ出し、今はひとりで自由に生きています。
ある日の朝、いつもと違う周囲の雰囲気に不安を覚え、ハルニレの長老、エカシのところに駆けつけて相談します。
「ポンコさんや、あんたの心の中はいま少し変わってきとる。自分でもわからんだろうけど、体も変わっておとなになりかけている」
子どもから大人へと変化してゆくポンコ。
ラストは力強く走り出します。
読書感想文の手がかり
普段の読書なら「北海道の大自然は素晴らしいな。行ってみたいな」とか「ポンコは可愛いな。私もこんな子馬を飼ってみたいな」とか「挿絵が素敵だな、私もこんな本が作りたいな」と思いながら読んでも構いません。
しかし、誰に読まれるか意識しながら、作品の主題を読み取り、自分に引き寄せて、自分の言葉でまとめなければならない読書感想文の場合、残念ながら上記の感想では最後まで書ききれません。
読書感想文の難しいところは、ある程度の答え(のようなもの)が決まっているところです。
今、まさに大人と子どものはざまにいるのだと感じ、この本のメッセージを理解し、指針にできる子であれば、この本で感想文は書けるでしょう。
言い換えれば、作品の主題を読み取れずに自分に引き寄せられなかったのであれば、この本で読書感想文を書くのは難しいです。何が、誰が問題というのではなく、もう少し先になってから再度この本を読めばいいだけの話です。
今の自分にぴったりだ、と感じられた子はこの本の感想文にチャレンジしてみてください。
この本で感想文を書くヒント、それは「あとがきにかえて これは手紙(テマミ)です」の存在です。作者からのお手紙を心に刻んでから本を読み返してください。ぼやけていた輪郭がくっきりしてくるはずです。
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