2023年 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書を紹介します。今回は中学年編(3・4年生)です。
『秘密の大作戦! フードバンクどろぼうをつかまえろ!』
・オンジャリQ・ラウフ 著
・千葉茂樹 訳
・スギヤマカナヨ 絵
・あすなろ書房
本の紹介
きのうの夜、ぼくたちが晩ごはんを食べたのは、一枚のトーストを半分ずつだけだった。
日々の食事に事欠くネルソンたちにとってフードバンクは頼りの綱。そのフードバンクの食料が盗まれているらしく、ネルソンは友だちと一緒に泥棒退治に向かいます。子どもの貧困という重いテーマではありますが、明るく読みやすく描かれています。
感想文を書くためのアプローチ
・この本を読んで初めて知ったことは何ですか?
・ネルソンたちの生活についてあなたはどう思いますか? もし、自分がその立場であるのならどうしますか?
・自分に何かできることはありますか?
お話の舞台はイギリスですが、他所の国のことと思わず自分の身近な出来事としてとらえなければなりません。
『ライスボールとみそ蔵と』
・横田明子 作
・塚越文雄 絵
・絵本塾出版
本の紹介
代々味噌屋を営む家に生まれたジュンは、家業がいやでたまりません。しかし、帰国子女のユキちゃんに蔵を案内することになったり、ユキちゃんの作った味噌料理をごちそうになったりすることで、彼の心は少しずつ変化します。蘊蓄もたくさんあり、あらためて日本の伝統食材、味噌の奥深さを感じられます。
感想文を書くためのアプローチ
・ジュンと同じように、家業を継ぐように言われていますか? もしあなたがジュンの立場だったらどのように感じますか?
・味噌について新しく知ったことはありますか?
・あなたが好きな味噌料理はありますか? 外国の人に教えてあげたい日本の料理はありますか?
・あなたなら空き蔵をどのように使って味噌の良さをアピールしますか?
『化石のよぶ声がきこえる 天才恐竜ハンターウェンディ・スロボーダ』
・ヘレイン・ベッカー 作
・サンドラ・デュメイ 絵
・木村由莉 訳・監修
・くもん出版
本の紹介
「きみはいい目をしているね!」
ある日ウエンディは、サンゴの化石を発見します。それからというもの化石さがしに夢中になり、ウエンディは「化石のよぶ声がきこえる人」とよばれるようになりました。絵本の中を駆け巡る彼女の魅力を存分に味わえます。
感想文を書くためのアプローチ
・あなたもウェンディのように恐竜ハンターになりたいですか? どんなところに魅力を感じましたか?
・あなたは今、何かに夢中になっていますか?
・あなたは将来どんな仕事に就きたいですか?
本文だけで感想文を書くのは、少し難しいかもしれません。終わりにある「ウェンディってどんなひと?」「恐竜ハンターになるには」「『好き!』を仕事にするってどういうこと?」まで読んで感想文を書いてみましょう。
『給食室のいちにち』
・大塚菜生 文
・イシヤマアズサ 絵
・少年写真新聞社
本の紹介
みんな大好き“給食”はどのように作られているの? めったに入れない「給食室」の中って一体どうなっているの? 栄養士さん、調理員さんってどんなお仕事? ……身近なことなのに意外と知らないことが多い給食室。
細部までていねいに描かれた絵本からは美味しいカレーのにおいが漂ってきそうです。
感想文を書くためのアプローチ
・あなたは給食が好きですか? 好きな献立を教えてください。
・あなたの学校の給食自慢をしてください。
・給食に関して、あなたの知らない話はありましたか? それについてどう思いましたか?
・調理員さん、栄養士さんに会うことができれば、どのようなことを伝えたいですか?
衛生にとことん気を配って毎日給食を作ってくださっている調理員さんたちに感謝しながら書きましょう。
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