2022年 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書を紹介します。今回は中学年編(3・4年生)です。
『みんなのためいき図鑑』
・村上 しいこ 作
・中田 いくみ 絵
・童心社
本の紹介
グループごとに一つの図鑑を作るのに、なかなかテーマが決まらないたのちん班。ふとした拍子に出てきたアイデア、それが「ためいき図鑑」でした。「ためいき」を図鑑にするとはなかなか目の付け所が良く、面白い図鑑になりそうなのですが……。いきいきとした会話の掛け合いが、物語をテンポよく進めてくれます。
読書感想文の手がかり
・あなたならどんな図鑑を作りたいですか?
・グループ学習で苦労したことはありますか?
・たのちんのグループメンバーについてどう思いますか?
・ためいきってどんなときに出るのだろう? ためいきには意味があるのでしょうか?
・お父さんやお母さんはどんな時にためいきが出るのだろう?(聞いてみよう!)
様々な切り口から書けそうですが、広げすぎるとまとまりがつかなくなるかもしれません。感想文を書く前に、しっかり設計図を作る必要があります。
『チョコレートタッチ』
・パトリック・スキーン・キャトリング 作
・ 佐藤淑子 訳
・伊津野果地 絵
本の紹介
ジョンはお菓子が大好き。ある日、ちょっとしたことがきっかけで少しでも口に触れれば全てチョコレートになってしまうという夢のような力を手に入れます。大喜びのジョンですがそれも束の間、あれもこれも全てチョコレートになってしまい……。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、です。
読書感想文の手がかり
・あなたもジョンのような力を手に入れたいですか?
・もし手に入れられるなら何を食べたいですか?
・一番印象に残った場面はありますか? それはどうしてですか?
・ジョンはどのように変わりましたか? ジョンは何に気づいたのだろう?
・ジョンに話しかけるとしたらどんなことを言いたいですか?
銭天堂のような展開で読みやすいです。ジョンのあやまちにも気づきやすく、比較的感想文は書きやすいと思います。
『111本の木』
・リナ・シン 文
・マリアンヌ・フェラー 絵
・こだま ともこ 訳
本の紹介
インドのある村でのお話です。女の子の誕生は喜ばれず、それどころか誕生することすらできない子もいるという現状がありました。村長のスンダルさんは、女の子が生まれるたびに111本の木を植えてお祝いをすることに決めました。はじめは村人からの支持を得ることができませんでしたが、いつしか人々の心は変わり、緑豊かな村に生まれ変わりました。
読書感想文の手がかり
・この本を読んで初めて知ったことは何ですか?
・女の子と男の子の扱いの違いを読んでどう思いましたか?
・スンダルさんの行動から何か学んだことはありますか?
・もしもあなたが村長なら、どういう解決策を見出しますか?
・一番印象に残った場面はどこですか? それはなぜですか?
お話じたいは短いのですが、絵本の後半には詳しい解説が付いています。そちらも読んでから感想文を書きましょう。
『この世界からサイがいなくなってしまう-アフリカでサイを守る人たち』
・味田村太郎 文
・学研プラス
本の紹介
悠然と動く姿が勇ましくもあり、どことなくユーモラスでもあるサイ。動物園に行けば必ず出会える気安さから、まさか彼らがここまで絶滅の危機に瀕しているとは思いもよりませんでした。原因は、サイのツノ目当ての密猟。密猟者と命懸けで戦うレンジャーたちの活躍が丁寧に分かりやすく描かれています。
読書感想文の手がかり
・この本を読んで初めて知ったことは何ですか?
・この本の中で、衝撃を受けた内容はありましたか?
・レンジャーの命懸けの活躍をどう思いますか?
・密猟者に対してどう思いますか?
・自分に何かできることはありますか?
絶滅の危機に瀕している動物はサイだけではありません。遠く離れた国のできごととは思わずに、自分に引きつけて書くのがポイントです。
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