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2023年 読書感想文の手がかり・低学年編

2023年 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書を紹介します。今回は低学年編(1・2年生)です。


『よるのあいだに…みんなをささえるはたらく人たち』

・ポリー・フェイバー 文

・ハリエット・ホブデイ 絵

・中井はるの 訳

・BL出版


本の紹介

暗くなり、寝支度をはじめる「わたし」。一方、仕事に出かける準備をするママ。「わたし」が寝ている間に仕事をするのはママだけではありません。警備員、警察官、ニュースレポータ、運転士……大勢の人たちが夜の間に働いています。その人たちによって日常生活が支えられていることを知り、感謝できる一冊です。


感想文を書くためのアプローチ

・あなたは何時まで起きたことがありますか? どうして起きていたのかな?

・あなたが寝ている間の「夜の世界」について想像したことはありますか? どんなことを想像しましたか?

・お家の方など身近な方の中で夜はたらいている方はいらっしゃいますか?

・もし、夜に働いてくれる人がいなかったら、どうなると思いますか?

・夜働いてくれている人に対してどのようなことを言いたいですか?

タイトル通りシンプルな主題なので、読みやすく感想文も書きやすいでしょう。



『それで、いい!』

・礒みゆき 作

・はたこうしろう 絵

・ポプラ社


本の紹介

きつねは絵を描くことが大好きです。しかし、周囲の評価を気にするあまり、あれだけ好きだった絵が描けなくなってしまいます。「『きちんと』描く」「『じょうずに』描く」ってどういうことなのだろう?

おれは かきたいから かいてたんだ。かきたいから かく。かきたいものを かく。それでいいや。

と、きつねが思いいたるまで、うさぎとともに応援したくなるお話です。


感想文を書くためのアプローチ

・あなたは今、夢中になっていることがありますか? それは何ですか?

・自分が一生懸命になっていたことに対して、人から何か言われていやな気持ちになったことはありますか?

・絵を「きちんと描く」「上手に描く」とはどういうことだろう? 

・きつねが展覧会に出した絵は「ただの うさぎの かお」でした。色もあちこちはみ出していました。それなのになぜ、多くの動物たちの心をゆさぶったのでしょう。

人の評価など気にせずに、自分らしさを大切にするーー「それで、いい!」のです。



『けんかのたね』

・ラッセル・ホーバン 作

・小宮由 訳

・大野八生 絵

・岩波書店


本の紹介

お父さんが家に帰ると、4人の子どもたちが大げんかの真っ最中。わけをたずねてもみんな「自分は悪くない!」の一点張りです。

もつれた糸がほどけてゆく後半のプロセスは爽快。ラストのねずみの表情は必見です。


感想文を書くためのアプローチ

・あなたは兄弟がいますか? 兄弟げんかをしたことはあり……ますよね。最近どんなことでけんかをしてしまいましたか? 

・タイトルの「けんかのたね」の「たね」って何だろう? 

・あなたにとっての「けんかのたね」は何ですか?

・けんかをしてしまった後、どうすれば解決できますか? そもそもけんかをしないようにするにはどうすればいいでしょう。

・子どもの世界だけでなく、大人の世界でもけんかは起きます。けんかをしている大人に一言!

兄弟がいるお子さまにとってこの物語は「あるある」です。自分のことに引き付けて考えられるといいでしょう。



『うまれてくるよ海のなか』

・高久至 しゃしん

・かんちくたかこ ぶん

・アリス館


本の紹介

舞台は海の中。おとうさんとおかあさんが一生懸命子どもたちを守って育てています。最後の「がんばれー」がとても可愛らしくていじらしいです。

カラフルで迫力のある写真が圧巻で、海の生き物のパワーそのもののように感じられます。


感想文を書くためのアプローチ

・あなたは魚が好きですか? 飼ったことがある、水族館が好き、あまり興味ない……など、魚との関わりはどれくらいですか?

・この本を読んで新しく知ったことはありますか? 何を知りましたか?

・どの写真が一番心に残りましたか?

・応援したくなる魚はいましたか?

・人間の子育てと魚の子育てに違いはありましたか? 同じところはありましたか? どこが同じでどんなところが違いますか?

・私たち人間は、海に生きる魚のために何かできることはあるでしょうか。

魚大好き! 生き物大好き! というお子さまにとってはぴったりの本です。

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